勝利への道
投稿者のご紹介・プロフィール

<略歴>
今泉 清さん(左)
● 大分県立大分舞鶴高校卒(高校日本代表:フランカー)
● 早稲田大学卒(大学選手権優勝2回・準優勝1回)
● ニュージーランドへラグビー留学
● サントリーホールディングス株式会社入社
● 1995年 ラグビーW杯南アフリカ大会日本代表
(7人制日本代表にも選ばれている)
●2001年 早稲田大学ラグビー部コーチ・サントリーフーズ
プレイングコーチに就任
●2005年 早稲田大学大学院公共経営研究科に進学
公共経営修士
●2009年~ パフォーマンス・コンサルタント企業
●2015年~ 大分県ラグビー大使に就任
●日本代表キャップ数:8
著書:
2015年 勝ちぐせ。(日本実業出版社)
2019年 オールブラックス 圧倒的勝利のマインドセット
(学研プラス)
2019年 まんがでわかる ラグビーが面白くなる本
(小学館)
2020年 ONE TEAM!ラグビー日本代表に学ぶ最強組織
のつくり方 (日本能率協会マネジメントセンター)
小口 耕平さん(右)
●大東文化大学(主将)卒
●リコー(現・リコーブラックラムズ東京)に加入
●1999年 ラグビーワールドカップ出場
●2006年 現役を引退して丸昌エンターテインメント起業
●日本代表キャップ数:10
田沼 広之さん(オンライン参加)
●日本体育大学卒
●リコー(現・リコーブラックラムズ東京)に加入
●1999年・2003年 ラグビーワールドカップ出場
●2010年-2015年 リコーコーチ就任
●2015年-2022年 日本体育大学(ラグビー部監督・ 体育学部准教授)
●2019年 テレビドラマ「ノーサイド・ゲーム」西荻崇 役にて出演
●2022年~ リコーブラックラムズ東京 アンバサダー就任
●日本代表キャップ数:42
●愛称:タヌー
Vol. 8 ~スペシャルゲスト:ラグビー界のレジェンド登場!~
MC)名門舞鶴高校から早稲田へ、その後ニュージーランドへラグビー留学され、サントリーにて数々の伝説的なプレーでファンを
魅了したラグビー界のレジェンドである今泉清さんが、今回、スペシャルゲストでコラムに参加いただけることとなりました!
今泉さん)こんにちは!田沼とも、現役で一緒にプレーしているので、本日は、楽しみにしていました。宜しくお願いいたします。
MC)さっそくですが、イングランドHCのエディージョーンズ氏が解任、その後、オーストラリアHCに就任するという、年が明けて、
衝撃的なニュースがありましたね。
小口さん)エディージョーンズさんとは、全く絡んでないですが、とにかく厳しい練習で有名でしたね。
田沼は、一緒にやっているよね? 今泉さん、サントリーでエディージョーンズさんとやってませんでしたか?
田沼さん)コーチングしていただいています!私が1996年に始めて、日本代表に選出された時のFWコーチでした。
非常に厳しく私の可能性を信じて、日本代表の一員なれるよう指導していただきました。
エディーさんとの出会いは、私の宝物のひとつです。
彼がいなければ、今の私はなかったと思っています。
今泉さん)エディージョーンズのコーチ・監督は、日本から始まって、ACTブランビーズでHCに就任する前、サントリーで
コーチをしており、1年間エディージョーンズとやっていましたね。
その頃で面白い話があるんです。
MC) ぜひ、エディージョーンズさんとの面白い話を聞かせてください。
今泉さん)その当時は9:00から仕事を始めて17時30分まで仕事して、移動して19時30分から2時間練習して、21時30分からお風呂
に入って、ご飯を食べて営業の仕事に戻っていました。今ではあり得ないかもしれませんが、それが当時としては当たり
前で普通だったのです(笑い)。
もちろん食事はクラブハウスに準備されていており、ある日クラブハウスで寛いでいると、エディーさんが
「どうして皆で食事をとらないの?」って聞いてきたんです。
違う業務もしていて時間的にも合わないこともあるし、食事は、個人が好きな時間に自由に取れば良いんじゃないの?
ってこたえると、きよしはメンバー全員の好きなもの知ってるか?オフの時に何をしているのか知っているか?って
聞いてきたんです。
もちろん、よく遊んでいるメンバーは別として、プライベートですからと思っていたんですが、エディーさんが
「もっとメンバーのことを知る必要があるよ」って言うんです。
プライベートを知って、ラグビーが上手くなる?!チームが強くなる?!その時は、深く理解できなかったんですが。
後日、エディーさんと同じ話をして、はっ!としたんです。
プライベートでは、その人の喜ぶこと、怒ること、悲しむこと、楽しむことの感情がわかるでしょう?
メンバーのプライベートを知ると、試合でもその人の感情がどうなるかわかるよね?
感情は、プレーに影響するから、その人を知ることで、その人の喜怒哀楽ポイントとか、視界の大きさ
とか、さらに心(思考)癖とか特徴とか、人格・性格が理解できるよね?!って。
MC) 会社でも、いつも一ずうっと一緒にいると息苦しくなる時もあります。だから、昼食とか、一人で食べたいって思う
時もあります。
しかし、確かに、言われてみれば、その人の趣味が何か、得意なことは何か、知っているようで知らないことも
多いかもしれません。
今泉さん)私がサントリー時代に、隣のチームの東芝府中と練習試合している時でした。
私の前に東芝ディフェンスが誰も居なくて大きなスペースができ、私にボールがまわってくれば大きなチャンス
という場面でした。
私は「パスッ!パスッ!」って叫んでボールをまわすようにチームメイトに要求しました。しかし、私の手前にいた
選手は、私にパスをせず、見向きせずに相手めがけて突進していき、相手に体当たりをして、そこでプレーが止まり
ました。
私はパスをしなかった彼に思わず、「何でパスしない!」と感情的になって声を荒らげてしまいました。
それを見ていたエディーさんが私を呼んで、「彼と何年一緒にプレーしている?」って聞いてきたんです。
「4年くらいでしょうか?」って答えると、すかさず「4年間の間、彼がパスしたことあったか?」ってさらに聞くんです。
そこで私は気づかされました。彼はパスが不得意としている選手で、パスミスをするくらいなら、コンタクト(体当たり)
して次の攻撃の起点を作ることを思考する選手だったのです。そんな彼にパスを要求してもパスがをもらえるわけがない
ですよね?
田沼さん)エディーさんは、本当に分析をする人ですから、本当に一人一人観察して、分析をして、その人に対してアドバイス、
その人に対して指導されますよね?!
今泉さん)そう! だから、エディーさんは、
「チームメイトの能力を考えて動く」「最高・最良を期待しつつ、最低・最悪に備える」
ことを常に教え込んでいたよね?
小口さん)ラグビーは、組織、チームで全員で一つの目標に向かいますから。チーム力が重要ですよね!
今泉さん)エディーさんは、物事が起こってから対処するのでは無く、次に起こることを予測して動くことが重要で、
だからこそ、田沼が言った通り、観察と分析の重要性を教えてくれましたし、準備がどれだけ大切かを教えてくれました。
練習でも、試合のために練習をするんであって、練習のために練習しては意味がないってよく言われました。
だから、ウエイトトレーニングの時に、ウエイトトレーニング用の手袋をしてベンチプレスをしていると、
「試合でその手袋してプレーするのか?」と言われ、試合と同じ環境で練習をしていました。
「試合のように練習をし、練習のように試合をしろ!」 今でも覚えています(笑い)
彼は、日本の習慣、特性、文化を学び、現代日本人の思考を理解してから、エディーさんのベースである南半球
のラグビースタイルと融合させて強い日本ラグビーの基礎を築き上げた人です。
MC)ヘッドコーチが変わると、チームも変わるイメージがありますが?
今泉さん)間違いなく変わりますね!65%~70%はコーチの力量で変わります。
小口さん)良くも悪くも変わりますね。イングランド代表とオーストラリア代表が、今後、楽しみです。
田沼さん)特にイングランドは、日本と同じプールDですから!
MC)面白くなる展開ですね! やっぱり、リアルで観戦したいです!!(笑い)
今泉さん、小口さん、田沼さん、貴重なお話、本当にありがとうございました!!
いよいよ、ラグビーワールドカップ2023の年となりました! 昨年に続き、今年も展開が読めない感動的な試合が生まれ、
さらにイングランド代表とオーストラリア代表も楽しみになりました。
読者の皆さま、ぜひ、リアルで、本物の感動を味わってみてはいかがでしょうか?
次回の抽選申込は、2月14日の予定です! お楽しみに~\(@^0^@)/
左:今泉さん 右:小口さん
田沼さん